ミクロ経済学1

先日も触れましたが、このミクロ経済学の本を読み始めました。
ミクロ経済学1
内容がわかりやすいのは当然として、それ以上に重要なのは豊富な事例です。豊富な事例があることで経済学をより深く学びたいという欲求を持たせることができると思います。たとえば構造改革という曖昧な表現をマスコミ等でよく聞きますが、この本では以下のように定義されています。

「何らかの制度的な障害によって資源が生産性のより高いところに動けない場合に、そのような障害を取り除く改革」)(P.16)

短期的には特定の人が損失を被ることもありますが、長期的には社会全体で便益を得られるということです。この本では石油への転換を行なうエネルギー改革について触れていました。

炭焼き産業がかわいそうだから石油を輸入しないようにしようとか、人力車がかわいそうだからタクシー営業をやめよう・・・(中略)・・・この考えを徹底すると、中世のままのほうが、犠牲者を出しつつ経済成長するより望ましい(P.13)

改革により便益を得た人には便益を得ない人より負担を強いることで、損失を被った人に対しての補償を確保する、これにより長期的には社会全体の便益を得ることができるのです。
・需要と需要量の違い
需要の増加は需要曲線のシフトであり、一方需要量の増加は需要曲線上の価格と量のシフト。所得の増加は需要の増加を促すことを意味し、ある商品価格の下落は需要量を増やす。
・価格規制の典型例:最低賃金
すでに雇用されている人にとっては恩恵を受ける法律。設定された賃金において需要より供給が上回っていれば超過供給状態となり、場合によっては大量の失業を生む恐れがある。