デザインイノベーション

デザインイノベーション デザイン戦略の次の一手

デザインイノベーション デザイン戦略の次の一手

「デザインとは画期的なコンセプトを提案することによって、人々の生活を豊かにする」というキーワードを元に、デザイナーである著者がどのようにビジネスを展開していったかが説明されている。
優秀なデザイナーは独りよがりなデザインを提供するのではなく、自分がデザインした製品をユーザーがどのように使うか、そしてその製品をどうすれば気に入ってもらうか、さらにその製品を使い終えた(役割を終えた)ときに環境に負荷がかからないかまでも考えていく必要があると提言している。
また具体的にイノベーションを起こすための、基本的なプロセスが記述されている。それは目標の設定や課題の共有、さらにデザインだけでなくマーケティングや技術面までもチームで取り組んでいく必要があると言う。デザイナーという枠をはみ出して考えていかないと素晴らしいデザインは提供できないのだろう。
今後はソフトウェアにおけるオープンソースのように、海外企業との協同作業が重要になってくると書かれている。そのときに単に価格面で海外に工場を移転させたりアウトソーシングを行なったりすると、自身の衰退を招く(技術レベル、また別のコスト(文化・制度面での相違)も発生するため)。必ずパートナーとして相互が協力し合ってよい製品を送り出そうという戦略をとることが大事であるそうだ。
これを読む限り優秀なビジネスマンと優秀なデザイナーは同じような考えを持って仕事を展開していくのだろうと思ってしまう。