野村ノート

野村ノート

野村ノート

GW中の新幹線、電車で読んだ本その3。
野村監督が監督時代に考えていたことをまとめた本と記されているものの、単に野球論にとどまらない、非常に示唆に富んだ内容である。多くの監督は自分の勘と経験を頼りに指示を出している一方、野村監督はそれらに加えてID野球に象徴されるようにデータと野球のルールや人間の原理原則も踏まえて指示を出すというところに違いがあるとのこと。
まず最初の「はじめに」の章で監督としての原則が紹介されている。そしてその原則に則った指示を出すから選手も理解・行動しやすいのであろうと想像がつく。
また組織論としていろいろな持論が展開されているが、これらは野球に限らず、すべての組織に当てはまる内容になっている。第5章のタイトルは「中心なき組織は機能しない」というタイトルであるが、これは全くその通りである。第7章のタイトルは「指揮官の重要な仕事は人づくりである」というタイトルも然り。監督はそのような原則をもとに実に的確な指示を出していたことに読者は納得するであろう。
こちらの本は技術的な仕事をしている人向けだが、こちらはあらゆる社会人向けの本である。非常におすすめ。