村上春樹インタビュー集
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/09/29
- メディア: ペーパーバック
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小説を書きあげる際に考えたことや取り組んだこと、さらに個人として大事にしている考え方などがまとまっている。
めったにインタビューを受けることがない著者であるから、著者がどのように考えているかがまとめられたこの本はファンにとっては一読の価値がある。
感想としては「やっぱり小説を書くのが大好きだから続けられる」ということである。時にはつらいこともあるが、書き終えたときの爽快感がたまらない、ということをおっしゃっている。この感覚はプログラマーにもわかるのではないか?
「(仕事をするには)健全な肉体が一番大事」
小説を書くには自分の魂の不健全さ、歪んだところ、暗いところを見つめる必要がある。それには健全な肉体が必要だという。私も「このまま何も体を動かさずに仕事を続けていると、いつか体がおかしくなってしまう。あぁ、汗をかきたい」と思ったのが数年前。それ以来ほぼ毎週1度はランニングをしている。それが習慣化されてしまった。ソースコードを書くには決して自分の暗いところを見つめる必要はないが、健全な肉体がないといいパフォーマンスを上げることができないというのは同じだろう。
この2つを持ち合わせているからこそ、ずっと素晴らしい作品を生み続けているのであろう。
加えて、外国生活の長い著者ならではの考え(日本の文化発信力の弱さ、など)も記述されている。話すことが苦手と著者は主張しているが非常にインタビュー上手に思われる。少なくともインタビュアーはそう思いながらインタビューをしているように違いない。日頃から自分の考えをしっかりと練り上げているからなのだろうか?本当に苦手な私もそのような行動習慣を身につければうまくなるのかな?