走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

ラソン好きと村上春樹好きにとってはたまらない本。書かれていることが非常に共感できるし、さらに村上春樹の読者をひきつける文章力により、どんどん本を読み進めてしまう。
たしかにフルマラソンは一般の人たちから見れば「なんでそんな単調なことをやっていられるの?」とか、「走っている間は退屈じゃないの?」、そして「(太ってない私を見て)ダイエットする必要ないのにどうしてそんなに運動する必要があるの?」という疑問がわいてくるだろう。そういうことを考えている人たちは是非この本をとってもらいたい。走っている間はいろいろなことを考えているのであるし、また体力をつけることで日々の仕事・生活が充実したものになるのである。
著者にとってはマラソンをすることで健康的になれたし、小説を書くための集中力を養うことができたという記述がある。私の場合も似たような感じである。普段はずっとPC越しに作業していて、ある時、このような体勢・精神状態で仕事しているといつか体がダメになると思った。まだまだ健康的に仕事を続けたいし、何より、何か流れを変えたいと思った。そのときふっと思ったのが「マラソンでも走ってみるか」ということだった。
それ以来、大会には出ないにしても週に1日は10km以上の距離を走るようになった。私がここまで大きな病気せずに、そして意外と楽しく仕事・勉強できている要因のひとつはランニングのおかげだと思っている。
ところで、数年間フルマラソンから離れていた私も、この本のせいでフルマラソンにエントリーしてしまい、まわりの人たちから呆れられてしまう始末に。。。どうしてくれるんだよ!村上春樹さんよ!